MLBに挑戦する日本人投手に故障が多い理由
今までMLBに挑戦してきた日本人投手達の多くが故障に苦しんできました。日本で何シーズンにもわたってフル回転してきたエース級の投手達が、なぜMLBに挑戦すると高い確率で故障に至ってしまうのでしょうか?
原因としてよく言われるのが、日本の野球とアメリカの野球の数々の違いです。まずMLBで使われている公式球は、日本のプロ野球で使われる公式球に比べサイズも重量も大きく、縫い目も高く作られています。加えて、MLBのボールはツルツルして滑りやすく、肘や肩に大きな負担がかかると言われます。また、MLBは球団数が30と多く、広い北米大陸のあちこちに本拠地を置いているため、シーズンを通して過酷な移動を強いられます。日本のプロ野球では先発投手は中5日から6日で登板するのが基本ですが、MLBでは中4日が基本です。このような日本人投手にとっての過酷な環境に加えて、強打者が並ぶ打線を相手にするために抜いた投球が出来ず、負担が大きくなり故障につながってしまうのです。もう1つの原因として、特にMLB側から指摘されているのが少年時代からの投球過多問題です。MLBに挑戦するような高いレベルの投手は、少年野球の時代からエース級の活躍をしていた選手が多く、当時から試合を通して投げ切るという経験を積み重ねて来ています。そのため、疲労の積み重ねが環境の変化をキッカケに故障という形で出てくると考えられるのです。
このように様々な要因が指摘される日本人投手の故障問題ですが、ファンの大きな期待を背負って渡米した選手達が故障によって本来の力を発揮出来ないというのは非常に残念なことです。球団側としても、大きな集客が見込める日本人投手をみすみす故障者リスト入りさせるのは大きな損失であると言えますから、日本のMLBファンとしては早急に環境の整備を期待したいところです。